かざやのブログ

ゲーム中心に特撮やアニメなど、いろいろなお話をしていきます。 よろしければ、皆さん見に来てくださいね。

思いついたので

SSを書いてみるです。
テーマは異能バトルでした。
こういうのって、つい、書きたくなるんですよねー。
SSは、続きにありまーすっ!



◆僕とテティスと

 ふらりと立ち寄った町で、男と出会った。
「見つけたぞ、クレカ。貴様を倒して、その力を貰い受ける!!」
 男は手のひらから異形の剣を取り出すと、すかさずクレカと呼ばれた青年に振るった。
「危ないな、テティスに当たったらどうするんだい?」
 クレカの肩には白い毛並みの猫がいた。いや、本当に猫だろうか? クレカはさっとその刃を避けると、テティスの頭をそっと撫でて、嫌そうな顔をする。
 相手の名前なんて知らない。
 こういう相手は、いつもそうだ。名乗りもしない。
 ただ、クレカの力を欲して、こうして、向かってくるのだ。
 男は殺気を発しながら、クレカに向かってくる。
 クレカは、それを見切って相手の刃を足場にして、軽やかに家の屋根に登った。
「貴様、逃げる気か!?」
 男も後を追って駆けてくる。
 その間にクレカは、人差し指を噛むと、空間に見事な円を描いた。それは光を帯びた円陣へと姿を変えてゆく。
「何事にも、準備が必要だって、学ばなかった?」
 その円陣の中にクレカは、素早くルーン文字を刻んでいく。
 光を帯びた円陣。そして、ルーン文字。最後にクレカは星を描いた。
「こういうのはあまり好きでないんだけど」
 そう前置きして、血の滲む人差し指を口元に置き、そっと円陣を吹き消すかのように男に向けて指を指す。
「ラ・レディカ・ローラス・アルカ」
 クレカが指差した方向、男の方へと円陣から飛び出した大量の光の帯が、一直線に男の体を貫いた。
「ぐほっ!!」

 家の屋根からゆっくりと、けれど華麗にクレカは着地する。それと同時に光の帯に刺し貫かれた男はかき消すように消え去った。
 そう、まるでそこには、何もなかったかのように。
「さて、行きましょうか」
 クレカはいつものように歩き出した。戦いなど、ここにはなかったかのような足取りで。
 ただ一つだけ違和感があるとすれば、金と青のオッドアイのテティスの瞳が、鮮やかな赤紫色を帯びていたこと、だろうか。

『あんなに弱いのに、クレカ様を殺そうだなんて、おこがましいにも程があるわ』
 クレカにしか聞こえない声でテティスが語りかける。
 その声にクレカは思わず、噴出してしまった。
「僕だって、あの男と一緒だよ。いや……今はそれ以下かも」
『そんなこと……!』
 その声を遮るかのようにクレカは、テティスの唇に人差し指を当てた。テティスの唇から、鉄の味がした。そういえば、クレカは怪我をしたのだったと、思い出させる味。
「だって、テティス。使い魔の君を生み出すために、僕はその力の全てを君にあげてしまったんだよ。僕はテティスがいなければ、簡単な魔法陣ですら、駆動させることも出来ない」
『でも、この力のもとは、クレカの……』
 テティスはクレカの指をなめて、力を込める。それだけで先ほど切った指の傷は跡形もなく消えていった。
「今はテティスのものだよ……けどね」
 くすりと笑って、クレカは続ける。
「その力がなければ、僕は君に出会わなかった」

 ―――世界で一番愛する君を、ね……。

 テティスにしか聞こえない言葉でそう告げると、テティスはそっぽを向いて、頬を染めていく。
『クレカ様の、意地悪。だから』
 好きという言葉の代わりに、キスをしよう。
 一人と一匹の旅は、まだ続く。きっと、彼らが消えるそのときまで、ずっと……。

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[ 2011/07/18 23:24 ] いろいろ | TB(0) | CM(0)
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