かざやのブログ

ゲーム中心に特撮やアニメなど、いろいろなお話をしていきます。 よろしければ、皆さん見に来てくださいね。

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千年の独奏歌

すごく素敵な曲だったので。
思わず物語を書いてしまいました。
超短編。
でも満足♪

読みたい方のみお楽しみくださいませ。

よろしければ、ニコ動とかユーチューブとかでも見られるので、見てみてください。
CDも素敵です!!

ちなみに素敵なテンプレがあったので、テンプレも一時的にこれに。
暫くしたあとで修正しますですよ。


追伸:わたしはげんきです。
 そこは、一面のすみれの丘。
 もし、僕にそんな機能があれば、一面のすみれの香りを感じることができただろう。
「ふう、やっとできたー!」
 ぐいっと顔を拭う。取れるはずの黒ずみが逆についてしまった。
 黒髪の少女。長いその髪を一つにまとめ、大きな眼鏡をかけている。
「本当はもっと早く取り付けられるはずだったのにね」
 工具箱に道具をしまいながら、少女は続ける。空はいつの間にか黄昏色に染まっていた。
「でも素敵だよね。このすみれの丘に歌を響かせたいんだって」
 さてっと、少女は立ち上がる。
「じゃあ、さっそく試運転といきましょうか」
 少女は僕の後ろに回り、電源を入れた。

 歌が丘の上に響き渡る。
「上手上手! あ、上手なのはあたりまえかー」
 そう作られたのだから、当然なのかもしれない。
「よくできました」
 これがぴったりかなぁと首をかしげて笑みを浮かべた。
「じゃあ、次の歌に行くよ」
 彼女の指示通り、僕は歌う。観客はまだ彼女しか居ないけれど、それで充分であった。彼女の笑顔。拍手。喜ぶ姿。それだけで……。

 気がつけば、空には月が浮かんでいた。
「あっちゃー、もう夜? でもまあいっか。あと一曲だけだし」
 少女は最後の曲を指示する手を……止めた。かわりに落ちるのは、暖かい雫。
「あは、ごめんね」
 彼女は目元を拭って、また笑みを浮かべる。その瞳には悲しみもあって。
「あのね、大事なこと」
 静かに続ける。
「本当は君みたいなのをたくさん、たくさんつくりたいのだけれど、でも、できないの。あなたの弟や妹もたくさん、たくさん作りたかったのだけれど」
 顔を上げて、微笑んだ。
「ねえ、約束してもいいかな?」
 頷く代わりに優しい風が彼女を包む。
「また、ここに来ることができたら……そのときは、あなたの妹や弟を作ってあげる。それまで待っててくれる? どのくらい時間がかかるかわからないけれども……」
 あっと、少女が小さく叫んだ。
 空に輝く星が、流れたのだ。とっさに祈りを捧げる少女。
「叶うといいな……」
 小さく微笑んで、少女はもう一度、最後のキーを押した。
 二人だけのコンサート。
 月と星だけが知っている。最後の歌を聴いて、彼女は盛大な拍手を、僕にくれた。

 あれから何年の月日が流れたのだろう。
 残念ながら、僕には月日を計算する機能はない。
 あれだけたくさんのすみれが咲いていた、この丘も……もうその綺麗な花はない。代わりに置かれているのは、名前の書かれた石碑のみ。

 歌を歌おう。
 彼女が喜んでくれた、あの歌を。
 もう、誰も聴いてはくれないけれど。
 あのときと同じ風が吹く限り。
 あのときと同じ月明かりがある限り。
 あのときと同じ星が輝く限り。
 今なら分かる。彼女が言ったあの言葉の意味。
 どのくらいのときがかかろうとも、僕は彼女のために歌い続ける。

 その日、珍しく澄み渡った青空だった。
 一人の少女がかけて来る。
「やっと見つけた。ボロボロの日記から、よく見つけられたよね、あたしっ!」
 小さな小さな可愛らしい人形のようなロボットをその傍において、少女は微笑んだ。
「約束を果たしに来たよ」
 でもと、少女はいう。
「その前にあなたを修理しなくっちゃね」
 妙に年季の入った工具箱を開けて少女は微笑んだ。
「だって、この子はあなたと一緒に歌うために生まれたのだから」
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[ 2009/07/26 16:17 ] いろいろ | TB(0) | CM(0)
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