かざやのブログ

ゲーム中心に特撮やアニメなど、いろいろなお話をしていきます。 よろしければ、皆さん見に来てくださいね。

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また書いてみる

なにやってんだといわれそうだけど。
ブルーな気分で書くなら、いいかなと。
テーマというか、それにもあってるし。

というわけで、前回書いた物語の別バージョン。
こっちは大人っぽくしっとり。
こっちの方が逆にぴったり来るかも?
ところで、読んでる人いるのかなー?
反応がないので、気になるところです。
気が向いたら、コメントとかいただけると、とてもはしゃぎます。
やっほーい♪




 からからと天井に取り付けられた空調機が回る。
 吐き出されるのは、煙草の煙。
 俺はベッドに座って窓の外を眺めていた。灰色に染まった星の見えない空を。
「ねえ」
 ベッドで横たわる彼女が声をかけてきた。
「本当につくりものなの?」
 そういって、彼女は俺の後ろから抱きついてきた。少しべたつく体が重なる。
「ああ」
 短くそう答えた。
「だって、こんなにもあったかいのに」
「そういう風に作られている」
 俺の体の殆どはつくりものだ。人のようで人じゃない。いや、一部は、脳の部分だけは人である。人のようなつくりものというべきか?
「ねえ」
 また彼女が声をかけてきた。甘いその声は、俺は嫌いではなかった。
「この戦いが終わったら、あんたはどうするの?」
「さあな」
 また短く。
「じゃあさ、唄歌いになりなよ」
「はあ!?」
 思わず声をあげた。
「だって、あんたのその声、すっごくいい声なんだもん」
「……俺の、声が?」
「そ、あんたの声。渋くてあたしは好き。ねえ、そうしなよ! なんなら、あたしも一緒に歌うからさ」
 ねえと彼女は俺の腕にまとわりついてくる。
「……………そうだな。そういうのも、悪くはない」
「じゃあ、約束」
「約束? ……まあいいか。約束な」
 絡み合った指。笑って、そして俺はもう一度、彼女と一緒にベッドに横たわった。

 激しい銃声。
 俺はただ、駆け抜けるだけだった。
 俺の部隊はただの囮。敵を引き付けるだけでよかった。だから深追いもしないし、すぐに逃げられるよう逃げ場は常に確保していた。
 充分、引き付けられたと、思う。
 森の中を駆け抜けて、左手に持っていた銃の引き金を引く。
 そろそろ頃合だろう。
 威嚇を何発か決めた後、俺達は本隊へと向かう。
「おい、あっちを見ろよ」
 同僚の声に視線を向けた。
 森が切れた先から、煙が見えた。
「確か、あっちは町があったな」
 名もない町。
 彼女がいた、町。
「おい、どこに行く!?」
「すぐ戻る!」
 そう言い残し、俺はその町へ駆け出していた。

 町にはすぐにたどり着いた。
 訪れたときに美しいと感じた町は、何者蚊の手によって壊されていた。
 綺麗な水を蓄えていた噴水も、見る姿もなく。
 美しい教会も窓ガラスは割られ。
 高い塔も、見る影もなく。
 俺は町の中を走っていった。
 ただただ、走っていた。
 そこにたどり着くまで、誰にも出会わなかったのは、不幸中の幸いというやつだろう。
 建物の3階。あのドアを開けた。
「……!!」
 声をかけようとして、その声を飲み込み。
 左手が自然に動いた。
 乾いた銃声が、響き渡る。
 どさりと倒れたのは、敵の兵士だった。
 引き金を引こうとしていた。
 だから、殺した。
「……来て……くれたんだ」
 声の先を見た。
 ベッドに横たわる彼女。
 彼女は既に撃たれていた。
 下半身を真っ赤に染めて、それでも彼女は笑っていた。
「大丈夫か? もう大丈夫だ!!」
 傍にあったシーツを引き裂き、彼女の血の染まる部分を巻いていく。
「一人でいくんだって、思った」
 彼女は続ける。
「でも、あんたが来てくれた」
 俺の顔に手を当てる。
「ねえ、すみれの丘」
「すみれの、丘?」
 こくりと頷き、彼女は口を開いた。
「あんたとはじめてあったあの、丘……綺麗だった。すみれの花がいっぱいで、すっごい良い香りで……」
 彼女は思い出すかのように瞳を細める。
「ねえ」
 甘えた声でねだる。
「歌って……」
 なんでもいいからという、その彼女の声は小さく、掠れていて。
 俺は歌った。
 あの夜。彼女が好きだといって、教えてくれたあの歌を。
 彼女も歌う。小さな声で。声にならない声で。
 もう、手遅れだった。
 なにもかも。
 手遅れだった。
 彼女の俺の顔を触っていてくれた手が、ゆっくりと離れてベッドの上に落ちていった。

「AAAHHHHHHHHH!!!!!」

 俺はすみれの丘に居た。
 目の前にあるのは、壊れた石碑。
 名前を刻もうとして、手を止めた。
「そういえば、名前を聞いていなかったな……」
 思わず苦笑が浮かぶ。
 彼女のことを、俺はこれっぽっちも知らなかった。
 歌が好きで。
 俺の声が好きだといって。
 俺をおいていってしまった彼女。
 あの後、戦いは終わった。
 皮肉にも。
 だから、約束を果たそう。
 君はもう、ここにはいないが。
 この歌を君に届けよう。
 このすみれの丘で。
 君の好きな、この場所で。 
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[ 2009/07/29 12:18 ] いろいろ | TB(0) | CM(0)
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