かざやのブログ

ゲーム中心に特撮やアニメなど、いろいろなお話をしていきます。 よろしければ、皆さん見に来てくださいね。

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2曲目!!

SSシリーズ、その2。
今回は、KAITOとレンのデュエット曲。
「erase or zero」。
いやあ、この曲、すっごくお気に入り。
かざやんの趣味、ストライクです!!

今回のSSは……かざやん的には、変化球です(笑)。
どうかしら? どうかしら?
感想や拍手をいただけると嬉しいですー☆

SSは隠しにありますので、どうぞー☆
「あの、もしかして……」
彼と出会ったのは、あの戦いが本格化する前のこと。
当時、所属していた部隊は、ただ純粋に高性能な試作機を飛ばす部隊だった。
俺は、そのテストパイロットの一人。
「そうだけど?」
だから、彼が俺を知っていたことに、少し驚いていた。
「あ、あのっ!! 今日から僕もここで働くことになりました! あなたと同じ、パイロットとして! その、憧れのあなたと一緒に空を飛べるなんて、嬉しいですっ」
興奮気味に言う彼を、どう扱ったらいいのか、わからなくて。
「頑張れよ」
それしか言えなかった。
「はいっ!!」
彼の笑顔が、眩しく映った。

幼い頃から、空が好きだった。
だから、父親に連れられて見た航空ショーが、いつも離れなかった。
空に近づける、方法。
それが、飛行機だった。
いかに飛べるか……なんて、考えていなかった。
ただ、空に行ける。
それだけで、十分だった。

「僕も好きなんです、空」
彼が教えてくれた。
「僕、先輩のインタビューを見て、この世界に入ったんです」
「インタビュー?」
彼から言われて、そういえば、前にそんなことをしたことを思い出した。
細かい答えなんて、すっかり忘れているけれども。
「とにかく、空の果てまで飛んで行きたいって。それが先輩の夢なんですよね」
「そう……だったかな?」
俺の言葉に彼は驚くように尋ねた。
「違うんですか?」
しばし考えて、答える。
「いや、あってると……思う」
「もう、先輩の意地悪っ」
すっかり忘れていた。
空の憧れ。
それが、彼の心の中にもあるのだろうか?
俺に憧れて、来たということは。
「……行けたらいいな」
「え? 先輩、なんて……」
「何でもない」
くしゃりと彼の髪をなでまわして、立ち上がる。
空がほんの少し近く感じた。
手を伸ばせば、届きそうな。

お前と一緒に空の果てまで。
お前もそう思ってくれているのなら。
俺は……。

避けられないこと。
理不尽なこと。
もう、二度と戻らないこと。
揺れる機体。
俺達は空に居た。
新型機で、偵察だけだった。
けれど、その日は。
その日だけは、少しいつもと違った。
『先輩っ!!』
無線を通じて、彼の声が響いた。
『前方に敵機、3機。あれは……新型?』
「そうらしい。向こうは……こっちには気づいていないみたいだな」
『はい』
「戻るぞ」
『ま、待って下さい!』
「どうした?」
『敵機の翼の下、何かありませんか?』
「ああ、あるな」
恐らく、新型のミサイルか何か。

『撃ち落しましょう』

酷く、はっきりと聞こえた。
無機質に、無感情に。
「待て、何を考えてる? 俺達の仕事は敵機を落とすことじゃない」
『じゃあ、何でこの機体にはミサイルがついているんですか!?』
「まずは戻って報告、それから……」
『それからじゃ、遅いかもしれないじゃないですか!!』
「先走るな! 俺達はただ……」
『先輩、もしこの敵機が僕達の町を爆撃したら、どうなります?』
「それは……」
『その前にできることを、僕はしたい』
「だが……」
『敵にやられた仲間だって、たくさんいるんですよ!』
「っ……」
『今、僕達が撃ち落さなくっちゃ、敵は何をしてくるかわからない!』
「向こうも俺達と……」
『一緒だって? あんな武器を装備して、何もしないで帰るって? そんなのわからないじゃないかっ!!』
思い出した。
『僕は、それで妹を殺されたっ! 大切な仲間を失ったっ! 僕の町を壊された!!』
彼の町が、爆撃されたことを。
『だから、撃ち落すんだ。もうあんな悲劇を生み出さないために』
「……待て」
止めようと思った。
彼が。
彼の手が赤く染まる前に。
止めたかった。
『!! 前方に村発見っ!! もう待てないっ!!』
「やめろっ!!」
『うおおおおおおおおおおおおおお!!!!』

茜色に染まる空。
俺はそんな空が嫌いだった。
青い空は、俺は好きだ。
だが、この黄昏色に染まる空は、嫌な事を思い出させる。
嫌な過去を。

もう、あの頃には戻れない。
俺はずっと、下っ端。テストパイロット。
彼は、いつの間にか俺を追い越していて。

「先輩、オレ、別の部隊に行くことになりました。昇進もあるって」
「そうか……」
本来ならば、喜んでやるところだ。
「オレ、先輩はすっごい人だと思ってたのに、たいしたことなかったんですね」
「………」
「こんな弱虫なんて、思わなかった。オレの方が勇気があるって」
「……」
「オレ、エースパイロットになります。そして、仇をとってきます」
「……」
「先に空の果てに行ってきますね」
皮肉だった。
祝いの言葉も、かけられずに。
そのまま、見送った。
淋しい瞳のまま。
彼が遠くへ行く、そのときまで。

歯車はいつの間にか、軋みをあげて外れてしまった。
一度、外れてしまった歯車は、もう元には戻らない。
彼と一緒に空の果てまで行きたかった。
不器用な俺は、地べたに這いつくばりながら、空を見上げて。
憧れて。
隣には、もう居ない彼を求めて、探していた。
今、お前はどこにいる?
空に手を伸ばしても、お前はいない。
彼と一緒に飛びたかった。

あの蒼く、蒼く澄んだ空を。
お前と一緒に。
遠い果てまで、ずっと……。
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[ 2010/07/05 11:36 ] いろいろ | TB(0) | CM(0)
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